人口分布と構成
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人口の不均衡な分布も本質的な人口統計学的特徴である。現在の人口のほぼ3分の2はクロアチアの領土の3分の1を若干超える地域に住んでいる。人口集中の中心はザグレブで、そこにクロアチアの人口の20%が住んでおり(2021年統計)、ザグレブでは数十年にわたり人口密度が増加している。最も人口密度が低いのはリカ・セニ郡であり、そこには全人口の1.1%しか住んでおらず、30年以上にもわたり人口密度が低下している。
一般的に人口密度が最も低く、人口減少が最も著しいのは高地地域(リカ地方、ゴルスキ・コタル地方)、島嶼部、ダルマチア後背地、クロアチア中央部の僻地や、最近ではスラヴォニアなどの農村部や交通が不便な地域でもみられる。したがって、現在のクロアチアの人口は点在分布の特徴を示している。人口の相対的増加と、それに伴う高い人口密度が見られるのは、主に人口増加を見せている大都市の衛星都市の地域(ザグレブ、スプリト、リエカ周辺)、そしてイストリア、クヴァルネル、ダルマチアの地方のいくつかの沿岸中都市である。季節的あるいは恒久的な移住の傾向、特に退職者の大都市から別荘(特に海岸)への移住も観察されている。



クロアチアの現在の民族構成は極めて均質的で、人口の91.63%がクロアチア人である。最も多い少数民族は、人口の3.2%を占めているセルビア人である。他の20の少数民族の割合は極めて少ない。
セルビア人のクロアチアへの移住の歴史はかなり長く、16世紀に始まっている。セルビア人はその時かつての軍政国境地帯(リカ、バノヴィナ、コルドゥン、ダルマチア北部の一部、スラヴォニア東部と西部)に定住し、後に大都市にも移住した。1990年代の紛争による移住によって、セルビア人の割合は急激に減少している。祖国戦争後に、その一部はクロアチアへ帰還している。
クロアチアにおける少数民族の地位は、2002年の「少数民族の権利に関する憲法法」によって規定されている。当法律に基づき、少数民族は次の権利を有している:母語とその文字を使用する権利、母語とその文字で教育を受ける権利、自己の民族の記章と象徴を使用する権利、文化的自治の権利、自身の宗教を実践する権利、公的メディアにアクセスする権利、自己組織化する権利、国家および地方レベル代表機関で代表される権利、行政および司法機関で代表される権利、生存を脅かす、あるいは脅かし得るいかなる活動からも保護される権利。同法に基づき、少数民族評議会および少数民族諮問評議会が設立され、そのメンバーはクロアチア国会における少数民族の代表者でもある。
他の国々と同様に、クロアチアでも人口の宗教的構成はほぼ完全に民族的構成に一致している。ローマ・カトリックは人口の78.97%を占めており、その民族性はほぼクロアチア人である。その他の宗教の信者数ははるかに少ない。正教会の信者は3.32%を占めており、そのほとんどがセルビア人である。ムスリムの信者が1.32%で、その大部分はボシュニャク人であり、人口の4.83%がその他のキリスト教宗派に属している。その他の宗教の信者、不可知論者、無神論者、あるいは宣言していない人々はクロアチアの人口の6.43%である。