河川と湖

河川網の流域の面積62%の川が黒海に流れ込む。クロアチア最長の河川であるサヴァ川(562 km)とドラーヴァ川(505 km)がその流域の一部であり、その二つの川が合流するドナウ川と同様に、大部分が国境を形成している。

サヴァ川の主要な支流はストラ川、クラピナ川、クパ川(クロアチア国内では最も長い川)、ロニャ川とウナ川である。ドラーヴァ川の主要な支流はムラ川、ベドニャ川とカラシツァ川であり、ドナウ川に流れ込むのはヴカ川である。ドラーヴァ川とムラ川を除いて、ほとんどの河川の水位は冬には高く、夏には低く保たれる。主要な航行可能な水路はドナウ川である。大型船の場合は、ドラーヴァ川はオシエクまで、サヴァ川はシサクまで航行可能である。

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水路図
ヨーロッパの主要な内陸水路の1つであるヴコヴァルを流れるドナウ川
マイェロヴォ・ヴリロ(「マイェルの泉」)は、マスの養殖で有名なリカの地下河川ガツカ川の水源の1つ。
プロチェの近くにあるバチナ湖は、国家生物保護ネットワーク(EUの生物保護地区のネットワーク「ナトゥーラ2000」の一部)の指定区域内にある。

国土の38%を占めているアドリア海に流れ込む流域では、地勢の大部分が石灰岩から形成されているために、水路網の多様性は少なく、川は豊富な水源から湧き出ており、その勾配は急で全長は短い。大きな川と言えば、ミルナ川、ズルマニャ川、クルカ川、ツェティナ川、そして最大のネレトヴァ川があるが、そのうち20 kmしかクロアチアを通っておらず、その部分のみが航行可能である。リカ川とガツカ川のカルスト地下河川もアドリア海に流れ込む。

オミシュの近くにあるツェティナ川の河口。ツェティナ川にはいくつかの水力発電所が建設されており、そのうちの一つ、オミシュの近くのザクチャツは国内で最も高い発電能力を有している。
ザダルとシベニクの間に位置しているヴラナ湖は国内最大の湖面積を誇っており、豊富な鳥類動物相と水産資源(ウナギ)を有し、1999年以来、自然公園となっている。
クパ川の支流であるコラナ川はカルロヴァツの南にある、クロアチアのカルスト地帯を流れ、黒海への合流点に接続する川の一つである。
ザダルの後背地にあるカルスト台地を切り込んだズルマニャ川

クロアチア全土に湖があるが、ほとんどの湖面積は小さい。最大の自然湖はビオグラードに隣接するヴラナ湖(30.7 km²)である。世界的に最も有名なのは、リカ地方にある息を呑むような美しさのプリトヴィツェ湖である。水力発電所のために建設された人工湖の中では最も大きいのはドラーヴァ川にあるドゥブラヴァ湖(117.1 km²)とヴァラジュディン湖(10.1 km²)、そしてツェティナ川にあるペルチャ湖(13 km²)である。

クロアチアは地表面積に対する地下水の貯水量の割合では世界の頂点にあり、一人当たりの水の貯水量ではヨーロッパでアイスランドとノルウェーに次ぐ3位である。