地理と人々
クロアチアは北東のヴコヴァルから西のザグレブを経て、南端のドゥブロヴニクまで伸びる馬蹄形をしている。その輪郭の大部分は17世紀の終わりに既に形作られていた。地表面積56,561 km2で欧州連合加盟国の中では19番目になる。地勢や気候の面では、非常に変化に富んだ国である。その領域はドラーヴァ川とサヴァ川(スラヴォニア地方)の間の大陸地域の広大な平原、中央部の本格的な山岳地帯(リカとゴルスキ・コタル地方)、そして西部と南部の1000以上の島々のある、入り組み長く伸びた陽光あふれる海岸線(イストリア、クヴァルネル、ダルマチア地方)を併せて含む。ドナウ川流域とアドリア海に挟まれた中央ヨーロッパの地中海に面している国として、クロアチアはヨーロッパの重要な回廊が合流する地理的な交通の要衝に位置し、その港は北に隣接する国々の海への出口となっている。天然水資源の豊かさでヨーロッパで3番目となり、何百もの動植物の地域固有種が生息し、特に保存状態の良い自然環境を誇っている。国土のほぼ10%が12の自然公園、8つの国立公園、そして2つの厳正自然保護区の下で保護されている。クロアチアは人口390万人で、欧州連合の中で20位を占めている。人口の60%程度が国の面積の15%以下である都市部に居住しており、5人に1人はザグレブ市に住んでいる。平均余命が延び、国民のほぼ4分の1が年齢65歳以上で、年齢15歳以下の人口はわずか14%である。民族構成としては、人口の90%以上をクロアチア人が占める。宗教の面では、人口の78.97%を占めているローマカトリック教徒が最も多く、その次は3.32%の正教会の信者(大部分は最も多い少数民族のセルビア人)、1.32%のイスラム教徒と0.26%のプロテスタントである。近隣諸国にも原住民のクロアチア人が住んでおり、その大多数はボスニア・ヘルツェゴビナにいる。クロアチアの世界中のディアスポラはオーストラリアから南北アメリカと西欧含め、250万人以上を抱える。